Reports

未来予測レポート

未来予測2035レポート&デジタルサービス

中長期戦略と将来ビジョン策定のために

OVERVIEW

第四次産業革命「クラウドロニクス」のゆくえ

「未来予測2035」は、予測のターゲットを「2035年」に伸ばすと共に、レポートをフレームワークから書き換える5年に1度の全面改訂にあたります。今回のメインテーマは、「第四次産業革命『クラウドロニクス』のゆくえです。クラウドは、これまでも「未来予測レポート」でも大きく取り上げてきたテーマであり、最初は「苦労なく書けるだろう」と思っていました。とんでもない間違いでした。

今回の新レポートは構想だけで丸1年を費やしました。そして執筆を始めてからも、何度も構想を練り直すことになりました。人工知能・ロボット・IoTがもたらす新しいコンピューティングの世界は、私が当初考えていたよりはるかに大きなスケールのものだったからです。

今回執筆する中で、「クラウドロニクス」は、これまで人間が経験してきた「産業革命」の中で最も大きなものである、と理解するに至りました。コンピューティングの変化ではありますが、IT/ICTとはレベルが違うものです。そして、これが「第四次産業革命」と呼ばれる変化の根底にあるものです。

クラウドロニクス以外にもう一つ、今回のレポートでどうしてもお伝えしたいのは、「今後5年位の間に、日本の財政は行き詰まる可能性が高い」ということです。個人的にも、こんな悲観的な予測は外れて欲しいと思っています。「未来予測」は、これまで「明るい未来」を提示することに努めてきました。

しかし国の債務はGDPの2倍を超える1100兆円を超え、国家財政の依然3割以上を国債に頼っています。さらに、今回のコロナ対策の補正予算で国債残高は90兆円も増え、国の財政はさらに、そして一気に悪化しました。ブレーキの利かなくなった財政は破綻するのは時間の問題になっています。それなのにそこから目を逸らして、「明るい未来」だけを思い描こうとするのは“能天気”でしかない、と私は考えます。

事実を見据えた上で、新しい時代を創っていく。そのために必要とされるであろうシナリオを今作で提示しました。チャールズ・ダーウィンが唱えた「適者生存」で、この激動の時代を一緒に生き抜いていきましょう。

 

署名
田中 栄
未来予測レポート・シリーズ 著者
田中 栄
株式会社アクアビット
代表取締役 チーフ・ビジネスプランナー

POINT 1

WindowsやMacintoshの登場を超える、コンピューティングの革命が今起こっている。

 

これによって、世界のカタチから、産業の枠組み、ビジネスの前提やルール、ライフスタイルや価値観、そして経営戦略まで変わろうとしている。

私たちは今、人類がこれまで経験してきた中で、最も大きな産業革命の真っただ中にいる。

人工知能

​人工知能とは、文字通りデジタルの【頭脳】である。クラウドロニクスでは、データセンターが基盤になることで処理能力が飛躍的に向上する上に、人工知能によってコンピューティングは「インテリジェンス」なものへと生まれ変わる。

これからの時代、「いつでも」「どこでも」「誰でも」人工知能が使えるようになる。ネットワークにつながるあらゆる電子機器でAIアシスタントが搭載され、家庭でも職場でも屋外でも自動車の中にいても、AIが常に共にあるということだ。そして人工知能が状況を自動的に判断し、人間を常にバックグラウンドからサポートしてくれるようになる。人工知能は、生活やビジネスのあらゆる場面で「デジタル」領域を担うようになる。人工知能の存在はライフスタイルやワークスタイルの新しい前提となる。

 ロボット

「ロボット」は、「人工知能」と「メカ・エレ」が合体したものである。それは、これからのコンピューターは【手足】を持ち、物理的な作業ができるようになるということだ。人工知能は範囲は限定的ながらも、高度で正確な判断ができるため、自律的な行動が可能になる。そして、人間に代わってロボットはさまざまなオペレーションを代行するようになる。人工知能の急速な進化とともに、ロボットはオモチャでもSFでもなくなる。

IoT

IoTとは、これからのコンピューターが【神経】や【目口耳】を持つことを意味する。神経とはセンサーである。そして目はCMOS、口はスピーカー、耳はマイクである。これらにネットワークがつながり、世界中に網の目のように張り巡らされるようになる。その数は2035年には数十兆という途方もない数になるだろう。そしてそれによって、世界中どこででも、いつでも、誰とでも、ピンポイント/双方向でつながる環境ができる。

グーテンベルクの活版印刷を超える情報流通革命、「ハイパー・メッシュネットワーク」

クラウドロニクス世代のネットワークは、「超」高速=“ハイパー”であり、そして毛細血管のような網の目=“メッシュ”を形成する。本レポートではこれを「ハイパー・メッシュネットワーク」と呼ぶ。印刷で表現できるのは静的なものだけであり、紙を使った流通は物理的な制約が大きい。それと比べて、デジタル情報は複製も簡単であり、文字や図形、写真はもちろん、音声、映像、ゲームなどの動的コンテンツ、さらには“体験”さえ情報として流通させることができる。さらにデジタル情報の流通にかかる直接原価は限りなくゼロに近い。それが超高速ブロードバンドによって、世界中どこでも、瞬時に流通できるようになるのである。ハイパー・メッシュネットワークは、グーテンベルクの活版印刷によるインパクトを超える「情報流通革命」をもたらす。

 

POINT 2

社会が変われば、求められるビジネスも変わる

コンピューターはもはや事務機器でもネット情報端末でもない。「人工知能+“スパコン”」
がデジタルサービスとして提供されるようになり、あらゆる産業の基盤になっていく。
どの業界もコンピューティングを抜きに、10年先・15年先の未来を描けなくなっている。

自動車、エレクトロニクス、放送、出版、電力、通信、銀行、小売、農業、医療など、社会には様々な産業や業界がある。だがこれらは、20世紀の社会が作ったものである。社会が変われば、求められるビジネスもまた変わる。それは産業の枠組みまで含めて変わるということである。

これからの社会で中核となるのは、データセンター/人工知能を中心として、デバイスやセンサー、ロボット、超高速ブロードバンド、さまざまなデジタルサービスが一体化した「クラウドロニクス産業」である。

そして、これを基盤としてさまざまな産業が「デジタルサービス」化するとともに、それぞれの領域が重なり合い、境界が曖昧になっていく。デジタルサービス化する産業分野は大きく分けて、エネルギー・生活、モビリティ・ロボット、金融・決済、食料・バイオ、医療ヘルスケア・ビューティ、小売・流通、クリエイティブ・エンタメの7つである。そして全体としては「クラウドロニクス・サービス産業群」と呼ぶべき、巨大な新産業を形成していく。

 

■ 未来予測レポートとは

「未来予測レポート」は、中長期戦略立案や新規事業を考える際に、その前提となる「将来予測」と「変化のシナリオ」を提示することを目的としています。中長期戦略の立案や新規事業は一人ではできません。 10年先、15年先という長期レンジで、「世の中」がこれからどう変わっていくか?という「共通認識」をしっかり持ってこそ、メンバーの間で「では、これからどうすべきか?」という議論が可能になるのです。

大手企業を中心にシリーズ累計で1,600社以上に導入実績があり、業種・業界を超えた将来シナリオとして幅広く使われています。前バージョン「2015/2018-2030」は大変好評を頂き、経済産業省や産業技術総合研究所をはじめ、特にクラウドロニクス分野については、総合エレクロニクス、自動車、放送・通信、半導体・センサー、データセンターなど主要企業のほとんどに導入を頂くことができました。

未来予測レポートは、紙のレポートの他、専用Webサイト「未来予測デジタルサービス」にて、デジタルでもコンテンツを提供しています。ネットからアクセスして読むことができますので、戦略議論のための「共通認識」をすばやく作ることができます。データは社内文書などでも活用できます。

「未来予測2035」より、デジタルサービスをメインとします。レポート発刊後、4年間はコンテンツのアップデートを継続して行い、最新の情報を提供します。

 

■ 未来予測デジタルサービス

今起こっているのは「革命」であり、かつて経験したことがないような大きなチャンスとリスクが広がっています。そしてこれは“修正”レベルで対処できるものではありません。これを乗り越えるためには、全社一丸となってまずこの変化を理解し、事業戦略を抜本的に見直す必要があります。

「未来予測」は、紙とデジタルの両方で情報提供することで、未来で予測される変化について短期間のうちに「共通認識」をつくることができます。そしてこれが、中長期戦略や新ビジネスを議論するための出発点となります。(https://www.miraiyosoku.net/

 

■ 未来予測コミュニティ(導入企業・団体のみ参加可能)

「未来予測コミュニティ」は、“勉強会”や“異業種交流会”ではありません。新ビジネスを本気で「やりたい!」という想いを持つことを共通項とする人たちが集まっています。

しかしながら、参加者は業界も立場も年齢もバラバラです。そんな人たちが会話をするために、「未来予測」を“共通のプロトコル”と位置付けています。そのため、参加者は原則として「未来予測レポート」導入企業に限定しています。

「未来予測コミュニティ」は4カ月に一度、定期開催しており、「同志」を探す場としています。ここではFace to Faceのコミュニケーションを大切にしています。新しいビジネスを一緒にやるためには、何度も顔を合わせ、いろんな話をして、信頼関係を作ることが大切と考えるからです。

セット内容

未来予測2035
レポート&デジタルサービス

著 者:田中 栄
発 行:株式会社アクアビット

  • 未来予測デジタルサービス アクセス権
  • 未来予測 2035 (A4バインダー形式 2分冊)
  • 未来予測年表 2035 (A0判)
    ※ 未来予測デジタルサービスでは本レポートの全文(図版入り)を掲載しています。
    導入企業に所属される方は何名でも法人会員としてご利用いただけます。

価 格 500,000円(+消費税) 発売日 2020年6月