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未来予測レポート

未来予測2018 – 2030

レポート&デジタルサービス

中長期戦略と将来ビジョン策定のために

OVERVIEW

コンピューティング革命としての「クラウドロニクス」

― これは決して“他業界のこと”ではない

『未来予測2015-2030』を2014年9月に上梓してから2年が経過した。これを元に全国を巡り、沢山の方々と「未来」について話し合い、様々なフィードバックをいただいた。「サステイナビリティ」「クラウド・コンピューティング」「ライフ・イノベーション」という3つのメガトレンド。そして、その向こう側に広がる様々な新しいビジネス。このレポートで提示した「未来」は正しかった、と私は確信を深めている。

日々新しい出来事が起こっており、同じテーマでも注目すべきトピックスは変わりつつある。具体的には、 人工知能やロボット、電気自動車、水素エネルギー、フィンテックやブロックチェーンなどである。これら最新情報を反映すべきと考えた。またテクノロジーについては、各分野のトレンドだけでなく、各分野で注目すべき技術をいくつか取り上げ、より具体的にお伝えしたいという思いが強くなった。

『未来予測2018-2030』の発刊を決断したもう一つの大きな動機は、米国大統領選挙でドナルド・トランプ氏が勝利したことである。これから「世界はリーダーを失う」。これは「マルチナショナル」時代の始まりであり、世界の秩序が変わることを意味する。TPPなどの通商政策、地球温暖化対策、防衛など、様々な分野で世界的に大きな方向転換が予想される。

『未来予測2018-2030』は、『未来予測2015-2030』のアップデートという位置付けである。将来シナリオは基本的には変更がないため、目次・構成は『未来予測2015-2030』と同じだ。

本レポートで特に強調しているのは、「クラウド」がもたらす変化である。クラウドはWindowsやMacintoshの 登場に匹敵、あるいはそれを超える「コンピューティング革命」であること。そして、「クラウドロニクス」と呼ぶ べき新しい産業として捉え直すべきということ。これらの主張が正しかったことは、“口コミ頼み”にもかかわらず、発刊から2年でクラウドロニクス分野(エレクトロニクス・通信・ネットサービス)の主要企業のほとんどが『未来予測2015-2030』を導入してくださった実績。これが何よりの証だと思う。

クラウド、IoT、ビッグデータ、AI、ロボット―― これらの言葉は、もはや当たり前のように様々なところで目に するようになった。だが、個々の説明をすることはできても、これらが自らのビジネスにどのような影響を及ぼすかまで正しく理解できているだろうか。他の産業の話で、自分たちのビジネスとは直接関係がないと考えていたりはしないだろうか。

社会が変われば、求められるビジネスもまた変わる。その向こう側に広がっているのは「未知の領域」であり、創造と挑戦の連続が待ち受けている。過去の常識にしがみついてはいけない。挑戦することを恐れてはいけない。本レポートが未来への「気づき」となり、中長期戦略立案の一助になることを切に願う。

署名
田中 栄
未来予測レポート・シリーズ 著者
田中 栄
株式会社アクアビット
代表取締役 チーフ・ビジネスプランナー

POINT 1

未来社会を創る3つのメガトレンド

「未来予測レポート」で伝えたいのは、「過去の延長線上に未来はない」ということである。それはなぜか? 「サステイナビリティ」「クラウド・コンピューティング」「ライフ・イノベーション」という3つのメガトレンドを中心に、社会が構造的に変わるからである。社会が変われば、求められるビジネスもまた変わる。これら「未来」を創る新たな潮流を確実にとらえるべきである。

1. クラウド・コンピューティング

「クラウド」は、WindowsやMacintoshに匹敵、もしくはそれを超える「コンピューティング革命」である。様々なデバイスやセンサーがブロードバンドにつながるようになり、それらはデータセンターと「一体化」する。全体と して「クラウドロニクス」と捉えるべき一つのビジネスになっていく。処理能力が“スパコン”ベースへと飛躍的に向上し、「映像」や「音声」をインターフェイスとして本格的に使えるようになる。人工知能のインテリジェンスな 能力を含めて、ネットを通じて「サービス」として利用できるようになる。

インテリジェント・コンピューティング

コンピューターが「話す」ことは当たり前になる。生身の人間と区別がつかないほど自然なイントネーションで会話したり、多言語の翻訳も当たり前になる。処理能力が速くなるだけなく、人工知能の進歩によってコンピューターは「考える」のが普通になる。学習、認識、判断の領域へと利用が広がる。人間の求められる能力、働き方が大きく変わっていく。

トリプル・ベロシティ

「クラウド」によって、商流(コト)・物流(モノ)・金流(カネ)というビジネスの基本的な潮流が一気に変わる。それはビジネスの前提やルールが変わることを意味する。即日配送や決済手数料ゼロが当たり前になったり、インタラクティブな広告宣伝を個人レベルでもできるようになる。新しい環境を生かしたベンチャーが登場し、様々な業界をひっくり返していく。

2. サステイナビリティ

「モノが足りない」ことが今後の社会では新しい前提となる。今はお金さえ出せば、エネルギーや資源、食料など基本的には好きなだけ買える。しかし今後新興国を中心に人口増加に加えて経済成長が重なる。あらゆる需要が飛躍的に増加する。さらには需給逼迫を背景に、「囲い込み」が本格化する。「ものづくり」の常識が変わり、安さと大量生産を追求する従来型のビジネスモデルは終焉を迎える。

3. ライフ・イノベーション

生命の設計図である「ゲノム」の解析が急速に進んでいる。さらに最近は「ゲノム編集」と呼ばれるテクノロジーが登場、改変さえ可能になってきた。医療分野では、病気の超早期発見や根治、老化のメカニズム解明など、驚くべき変化が始まっている。ゲノム技術の進歩は、農業や漁業、畜産、バイオなど生命分野に革命的な変化をもたらす。さらには人々の価値観やライフスタイルをも大きく変えることになる。

POINT 2

「クラウドロニクス」

「エレクトロニクス」と「コンピューティング」は一体化。
コンピューティングは、スパコン/人工知能+ブロードバンドによる「サービス」へ。

最近はパソコンだけでなく、スマートフォンやタブレット端末、テレビ、家電、センサーなど様々なものがネットにつながるようになった。いわゆる「IoT」である。そしてデータ処理の主役はネットの向こう側=データセンターへと移り変わりつつある。

スマートフォンとは何か? 改めて考えてみてほしい。スマートフォンは「エレクトロニクス」(モノ)だろうか? いつでもネットにつながることを前提に、処理の大半をデータセンター側で行うように設計されている。ネットやデータセンターの部分を含めてスマートフォンであり、私たちは「システム」を使っているのである。

電話に限らず、テレビ、家電、自動車など、主要なエレクトロニクスはデジタルサービスと一体化、「システム」になっていく。これからのエレクトロニクスはコンピューティングとは不可分である。そういう意味合いを込めて、本レポートではこれらを「クラウドロニクス」という一つのカテゴリーで捉えている。

この新しいコンピューティング環境は、様々な産業の“土台”になり、新しい事業形態や価値を生み出す。例えば、自動車では「コネクテッドカー」、エネルギーでは「スマートグリッド」、農業では「精密農業」などである。そしてコンピューティングは各分野で深く浸透し、欠かせないものになっていく。

さらには、様々な産業の一部がデジタルサービス化し、領域を重ね合わせていく。全体としては「クラウドロニクス・サービス産業群」と呼ぶべき、巨大な新産業が形成されていくだろう。

■ 未来予測レポートとは

「未来予測レポート」は、経営者や戦略スタッフを読者として想定した法人向けのレポートです。大手企業を中心にシリーズ累計で1,500社以上に導入実績があり、業種・業界を超えた将来シナリオとして幅広く使われています。2014年に発刊した『未来予測2015-2030』は、クラウドロニクス分野(エレクトロニクス・通信・ネットサービス)の主要企業のほとんどで導入いただいています。

このレポートの目的は、中長期戦略を立案する際に、その前提となる「将来の世界観」と「変化のシナリオ」を提示することです。10年先、15年先という長期レンジで、「世の中」がこれからどう変わっていくか。新しいビジネスを実践的に考えるために、リアルな世の中の流れを提示することを重視しています。

■ 未来予測デジタルサービス

レポートのコンテンツをデジタルでも提供しています。アクセスIDは企業単位で発行され、何名でもアクセス可能です。レポートの情報をチーム内で共有することで、戦略議論のための「共通認識」を作ることができます。データは社内文書などでも活用できます。

コンテンツは継続的にアップデートを行っており、レポート発刊後も最新の情報にアクセスできます。
https://www.miraiyosoku-service.jp/

■ 未来予測コミュニティ(導入企業・団体のみ参加可能)

「未来予測レポート」が提示する未来のシナリオに基づいて新しいビジネスを具体化するための「場」です。

コミュニティでは、業界の枠組みを越えて戦略を話し合うために「未来予測レポート」を“共通のプロトコル”と位置づけています。同じ価値観を持つ「仲間」を業界を超えてつなぎたい。そしてこれを母体に新ビジネスを生み出したい、という強い想いからスタートしました。

セット内容

未来予測2018 – 2030

レポート&デジタルサービス

著 者:田中 栄
発 行:株式会社アクアビット

  • 未来予測 2018-2030 (A4バインダー形式)
  • 未来予測年表 2018-2030 (A0判)
  • 未来予測デジタルサービス アクセスID付
    ※ 未来予測デジタルサービスでは、本レポートの全文(HTML版)を閲覧できます。

価 格 300,000円(+消費税) 発売日 2017年6月

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