未来予測レポート2013-2025〈食料・農業編〉〈医療・健康編〉

食料・農業編

新興国の人口増加と経済成長で 食料は逼迫、エレクトロニクス・ICTとの融合で 「装置産業化」が加速する。

未来予測レポート2013-2025〈食料・農業編〉

食肉需要の拡大で食料不足は一層深刻に

2011年、世界の人口は70億人の大台を突破した。人口が50億人を超えたのは1987年で、団塊世代が生まれた1950年時点では、世界人口はわずか25億人に過ぎなかった。たかだか60年のあいだに、25億人だった人口が70億人まで増えたのである。国連では、2050年時点では92億人を超えると予測している。

核戦争や死亡率が高い新たな病気の世界的流行といった突発的な重大事象がない限り、人口予測は高い確度で当たる。つまり、確実に予見できる「未来像」といえるだろう。

この、世界人口の急増という近い将来に必ず起きる変化は、産業や経済はもちろん、政治や人々の暮らしまで、世界中のあらゆる分野に重大な影響を及ぼす。そのなかにあって、間違いなく深刻化するであろう問題の一つが「食料不足」だ。人口が増えれば、それだけ多くの穀物を消費することになる。その対応さえ極めて難しい問題なのに、さらに問題を深刻にする変化が起きつつある。食肉需要の急拡大である。

我々は、肉を好んで食べる。一般的傾向として、豊かになればなるほど穀物より肉類を多く消費するようになる。このため、生産される穀物の多くは、牛、豚、鶏のエサとなる。畜産物1kgの生産に要する穀物量は、農林水産省の試算によれば、牛肉で11kg、豚肉は7kg、鶏肉は4kgという。つまり、牛肉を生産するためには、その11倍の重量の穀物が必要になるのである。

この、大量の穀物を消費する食肉の需要が、10億人を超える「人口大国」である中国で急拡大している。もう一つの人口大国であるインドでも、経済発展に伴い食肉需要が高まっていくだろう。その結果として起きるのは、深刻な穀物不足と、それを起点とする食料不足である。

このことは、現在の食料供給体制が破綻することを意味している。農業、漁業、畜産、食品加工、流通など、食品にかかわるあらゆる産業分野がこの洗礼を浴び、抜本的な改革を迫られることになるだろう。

医療・健康編

「手工業」から「機械工業」へと脱 皮する医療、高付加価値「カスタム医療」と低 コスト「コモディティ医療」の二極化へ。

未来予測レポート2013-2025〈医療・健康編〉

医療は、歴史の必然として「装置産業・システム産業」へと向かう

医療の工業化は、医療サービスの幅を飛躍的に広げる。

例えば、病院で検査をする。その検査データが意味することを病院の医師が自身の知見を基に判断するのが従来のやり方だった。しかし、最新のICTを使えば、その検査データをネットワークで遠隔地に送信することができる。そのデータを送る先が、巨大なデータベースを利用した高度な診療システムであれば、人手を使わずとも瞬時にして診断を下すことができるだろう。そのシステムが自国にある必要すらない。

同じ仕組みを、高付加価値医療システムとして利用することもできる。センンシング装置の部分を家や職場などに備えるようにしてもらえば、医療機関に行かなくても診断を受けることができる。患者個人に所持するようにしてもらえば、24時間体制の健康管理も実現できるだろう。データを送る先を医師にすることもできる。世界的な名医とネットを使ってコミュニケーションしながら、診断を受け治療法などの説明を受けることもできるのである。

こうしたサービス面での展開だけでなく、エレクトロニクス技術やICTの進化は、医療そのものを飛躍的に進化させつつある。その代表的なものが、ゲノム関連技術の進化だろう。

今まで治せなかった病気が、ゲノム診断や創薬の進化によって治療可能になるだろう。分子標的薬、抗体治療、再生医療などの研究開発が急ピッチで進められている。

一方で、アンチエージングといった、これまでの医療サービスの枠では扱えなかった技術が急速に進化しつつある。長寿と健康を望むニーズが拡大するなか、これらが医療、薬品、食品など他の産業分野と結びつきつつ、新たなサービス産業として存在感を増していくことになるだろう。均質、均等というワクから逃れることで、医療・健康は産業として、無限のニーズをつかむことになるのである。

田中 栄


未来予測レポート・シリーズ 著者
田中 栄
株式会社アクアビット
代表取締役 チーフ・ビジネスプランナー

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セット内容

  • 未来予測レポート2013-2025〈食料・農業編〉: 200,000 円(税別)
  • 未来予測レポート2013-2025〈医療・健康編〉: 200,000 円(税別)
  • 未来予測レポート2013-2025  2分野セット: 300,000 円(税別)

発行日:2013年7月31日

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